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ヘリウムの性質と用途

ヘリウムをヘリウムたらしめている理由

ヘリウムという原子に固有の性質

ヘリウムには様々な用途があります。そして、それは他の物質では代替することができません。大気から液化分離精製して製造される窒素や酸素は安価で、それに比べてヘリウムは格段に高価です。しかし高価であっても他のものでは代わりがきかないため、需要があるのです。

ヘリウムが必要とされるのは、他の物質にはない飛び抜けた性質があるからですが、その性質は下記のように大別されます。

  1. 絶対零度( -273℃ )に近い超低温になる
  2. 非常に軽い気体である
  3. 分子サイズがとても小さい
  4. 可燃性でも毒性でもない不活性な物質である

実は1〜3の性質は水素でも実現出来ますが、水素はご存知の通り可燃性の物質です。爆発する可能性があります。そのため4の性質を満たさないので、危なくて使用することができないのです。

ヘリウムの性質は原子番号2という小ささに由来する

では、なぜ他の物質では代替できないのでしょうか?それは、ヘリウムという「原子」に固有の性質だからです。

現在は118番目までの原子が発見されています。身近なもので言うと、水素は1番目、酸素は8番目、鉄は26番目です。それぞれ違う名前がついているので、ぜんぜん違うものだと思われるかもしれませんが、すべての原子は「陽子・中性子・電子」の3種類の物質からできています。違うのは数だけです。

例えば、1番目の原子の水素は陽子1個と電子1個でできています。2番目のヘリウムは陽子2個、中性子2個、電子2個です。3番目のリチウムは陽子3個、中性子4個、電子3個です。そして、構成する素材が増えていけば当然、サイズも大きくなります。原子の番号とサイズは同じように大きくなります。

  • 1番目:水素    陽子1個  中性子0個   電子1個
  • 2番目:ヘリウム  陽子2個  中性子2個   電子2個
  • 3番目:リチウム  陽子3個  中性子4個   電子3個
  • 4番目:ベリリウム 陽子4個  中性子5個   電子4個
  • 5番目:ホウ素   陽子5個  中性子6個   電子5個
  • 6番目:炭素    陽子6個  中性子6個   電子6個
  • 7番目:窒素    陽子7個  中性子7個   電子7個
  • 8番目:酸素    陽子8個  中性子8個   電子8個
  • 9番目:フッ素   陽子9個  中性子10個  電子9個
  • 10番目:ネオン  陽子10個 中性子10個  電子10個
  • ...(続く)

このようにみれば、ヘリウムが2番目に小さい原子だというのがわかると思います。先程も述べましたが、ヘリウムと水素は性質が似ています。それは水素がヘリウム同様に小さいサイズだからです。しかし、水素は可燃性のためヘリウムの代わりに使うのは安全上の問題がありできません。では、ヘリウムより1つだけ番号の大きいリチウムはどうでしょうか?残念ながらリチウムは金属であり、気体になったり液体になったりする性質はありません。それ以降の原子も金属や半金属と呼ばれる原子で、気体や液体にはなりません。7番目の原子「窒素」まできて、やっと気体になったり液体になったりする性質があらわれます。しかし、7番目の大きさになってしまうと、もはや「小さい」原子とは言えなくなってしまいます。これにより、超低温の性質も、軽い性質もヘリウムには及ばなくなってしまいます。

以上のように、ヘリウム以外の原子ではヘリウムと同様の性質は現れないのです。では、他の物質をヘリウムに変化させる方法はないのでしょか?例えば糖分をアルコールに変えるように。

原子を他の原子に変えるには核融合・核分裂反応が必要

世の中には様々な化学物質があり、その性質は多様です。あるものは粘着性が強かったり、あるものは大きく伸びたり縮んだりし、あるものは独特の匂いや味がします。そういった性質はどのように生み出されるかといえば、複数の原子同士がいろいろな組み合わせで結合することによって実現します。例えば、Aという原子にBという原子を4つくっつけたり、AとBを交互につなげて長い鎖のようにしたり、AとBの他にCという原子を組み合わせてみたり、その組み合わせは無限に近く存在します。

これらの反応は化学結合の組み換えで実現できます。例えば料理がそうです。温めたり冷やしたり、混ぜたり、溶かしたりすることでその化学結合は変化します。また工場などで鉄を溶かしたり、いろいろな化学薬品を作ったりしますが、あれも原子同士を切ったりつなげたりして化学結合を変化させることで実現しています。家庭でやる料理などとは比べ物にならないぐらい電気や熱などのエネルギーを使いますが、現在の技術で問題なくできるのです。それはあくまで原子と原子の間のつながり(化学結合)の変化であり、原子自体はなんら変化しません。

一方で、ヘリウム原子を他の物質から作ろうとすると、そうは行きません。化学結合を切ったり繋げたりでは実現できないのです。それには原子を別の原子にするというプロセスが必要であり、それには核分裂反応や核融合反応が必要になります。核分裂反応は、原子力発電所で行われていますが、現在の技術でもなんとか運用していますがとても安全な技術とはいえません。実際、ヘリウムを生み出すための技術としても確立していません。もう一つの核融合反応は、現在の科学技術水準をもってしても実現できていません。また、実現したとしてもヘリウムを製造するための技術としてはお金がかかりすぎて現実的ではないでしょう。

ヘリウムの性質1 絶対零度近い超低温

液体ヘリウムは絶対零度に近い

ヘリウムは、-269℃ という極めて低温まで冷やさなければ、液体にはなりません。絶対零度は -273℃ ですので、ほぼ絶対零度と言っていいでしょう。ヘリウムが凍るのは -272℃ です。(それも圧力をかけないと凍りません)絶対零度と1℃しか違いません。普通の物質ならそこまで冷やすまえにとっくに凍っています。ヘリウムに近い性質をもつ水素も、 -259℃ で凍ってしまいます。

物質が液体でいられる温度

  • 水         100°C 〜 0℃  ( 373 K 〜 273 K )
  • 液体酸素     -183°C 〜 -218℃ ( 90 K 〜 55 K )
  • 液体アルゴン   -186°C 〜 -189℃ ( 87 K 〜 84 K )
  • 液体窒素     -196°C 〜 -210℃ ( 77 K 〜 63 K )
  • 液体ネオン    -246°C 〜 -249℃ ( 27 K 〜 25 K )
  • 液体水素     -253℃ 〜 -259℃ ( 20 K 〜 14 K )
  • 液体ヘリウム   -269℃ 〜 -272℃ ( 4 K 〜 1 K )
  • (絶対零度)   -273℃ ( 0 K )

このように絶対零度ギリギリまで温度を下げて、凍らない物質はヘリウムだけなのです。

強力な磁場と超電導状態と絶対零度の関係

さて、液体ヘリウムが絶対零度近くまで凍らないことがわかったとして、そんな極限的な低温は何のために必要なのでしょうか?

それは、超電導状態というのを作り出すのに必要なのです。超電導状態とは、簡単に言えば金属の電気抵抗が0になるような状態です。例えば、リニアモーターカーは強力な磁場の力で車両を浮上させて走りますが、その磁場は超電導状態によって作りだされます。

電気抵抗がゼロになる超電導状態は強力な磁場をつくるのに不可欠です。磁場というのは電線の中に電流を流すと発生させることができ、電流をたくさん流せば流すほど磁場は強くなります。よって、超強力な磁場を作るには大量の電流を流す必要があります。しかし、電線には電気抵抗があり、大量の電流を流そうとすると抵抗により熱が生じたり、またそれだけたくさんのエネルギーが必要になり、普通の電線では一定以上の磁場を発生させることができません。しかし、電線を絶対零度近くまで冷やして超電導状態にすると、電気抵抗が0になるため、余計な熱を発生させずに大量の電流を流すことが実現出来ます。そうして通常の状態では発生させられなかった超強力磁場を生み出すことができるのです。

まとめると、強力な磁場を発生させるために超電導状態にする必要があり、超電導状態を作り出すために絶対零度近くまで冷却する必要がある、ということです。

強力な磁場を使った装置:NMRやMRI

絶対零度付近まで冷やすことで生み出した強磁場は、NMRという化学物質を分析するための装置や、MRIと呼ばれる体内を画像化する装置で使われています。

MRIは多くの病院に設置され、体の断面図を何枚も撮影し、3次元的に画像を得ることができます。CTでも似たような画像を得ることができますが、CTとは違った特徴の画像を得ることができ、現代医療においてなくてはならない診断ツールとなっています。

このように、NMRやMRIの装置では、絶対零度に近い液体のヘリウムが必要となります。

高温超電導が実現されればMRI向けの液体ヘリウムは不要になる

ここまでで、超電導状態を作るために液体ヘリウムが必要になる理由がお分かりいただけたと思いますが、いずれはMRI向けの液体ヘリウムは不要になるかもしれません。

実は、「高温超電導」という現象が発見されて、実用化に向けて着々と研究が進められているからです。「高温超電導」の「高温」とは、我々が一般的にイメージする「高温」ではなくて、「絶対零度に比べたら高い温度」という意味での「高温」です。

先程は、超電導状態を作り出すには絶対零度近くまで冷やす必要があると述べましたが、1980年台後半に、絶対零度よりも 80℃ 近くも高い温度 ( -190℃ )で超電導を示す特殊な化合物が発見されたのです。

これにより、液体ヘリウム(-269℃ 〜 -272℃)を使わなくても、液体窒素程度の低温(-196°C 〜 -210℃)で超電導状態を実現できることになります。液体窒素は、液体ヘリウムに比べてずっと安価で、しかもいくらでも生産することが可能です。

高温超電導物質は、銅線のように細い線状に加工することが難しいため、まだ実用化はされていませんが、すでに実用化の一歩手前まではきています。近い将来に高温超電導物質を使ったNMRやMRIが製造され、液体ヘリウムが液体窒素に取って代わるでしょう。

高温超伝導バルク磁石を駆使して世界初のMRI画像を撮影 理化学研究所
実用化に向けて着実に進歩する高温超電導技術 東芝

液体ヘリウムは低温工学の研究には不可欠

高温超電導が実用化されれば、すべての液体ヘリウムは不要になるかというと、そんなことはありません。科学研究で、絶対零度付近での物質の挙動をしらべる「低温工学」や「低温物理学」といった分野では、実際に絶対零度付近まで温度を下げる必要があることから、そのための需要はなくなりません。

また、液体ヘリウムはマクロ系での量子力学的挙動である「超流動」という性質を示し、量子力学的にも重要な研究対象となっています。

ロケットの発射にもヘリウムが必要

人工衛星の打ち上げなどに利用されるロケットの発射にもヘリウムの低温液化特性が重要になります。ロケットを発射する際は推進剤として液体水素と液体酸素が使われます。液体水素と液体酸素をタンクから噴射口に押し出すために、ヘリウムガスで液面を押して圧力をかけます。先程も述べたように、液体水素はヘリウムに次いで2番目に温度が低い液体です。ヘリウム以外のガスで液体水素の液面を押すと、液体水素の低温に触れてガスが液体になってしまったり、場合によっては凍ってしまったりします。そうなると液体水素を適切に押し出すことができません。このような理由で、液体水素の加圧にはヘリウム以外利用することができないのでです。

一方、液体酸素の加圧にもヘリウムが使われます。これは、ヘリウムが低温で液化しない・凍らないという性質の他に、液体への溶解度の低さが大事になります。推進剤として液体酸素と液体水素を反応させる際に、酸素と水素の反応比率を適切に制御する必要があります。酸素や水素に他の物質が混ざるとその制御が難しくなりますが、混ざりにくいヘリウムを使うことで制御の精度を上げることができるのです。

ヘリウムの性質2 軽い気体であること

空気よりも軽い気体

おそらく一番身近なヘリウムの利用例は、風船に入っているヘリウムではないでしょうか。ヘリウム入りの風船が浮かぶのは、ご存知のように、ヘリウムガスが空気よりも軽いという性質からくるものです。

「ヘリウム風船が浮かぶのなら、たくさん風船を集めれば、自分も浮かぶことができるのだろうか?」という疑問をもったことは誰しもあるかと思います。そんな素朴な疑問に真っ向から答えた動画をご紹介します。

イギリスの民法テレビ局Sky One制作の「Brainiac: Science Abuse」という番組の一企画として、実際にヘリウムの風船で人を浮かせています。

番組中では明示的には示されていませんが、体重 92kgの人間を浮かせるのに、推測するとヘリウムガス 135立方メートル が使用されたようです。大サイズのヘリウムボンベ(7立方メートル) 20本分であり、9インチの風船で 19,300個 を使用したことになります。

その他に、ヘリウム風船にiPhoneを括りつけて飛ばし、30km上空まで飛んでいく様子を動画撮影するプロジェクトの動画も見ていて面白いです。

Homemade Spacecraft from Luke Geissbuhler on Vimeo.

(日本語解説記事:風船にiPhoneとデジカメを載せ、成層圏からの撮影に成功...GPSで回収 - らばQ

吸うと声が変わるガス

ヘリウムの用途として風船と同じぐらい知られている用途としては、吸うと声が変わるガスとしても利用法ではないでしょうか。パーティグッズ・ジョークグッズとして、小さな缶に入って変声用のガスが売られています。吸うと一時的に甲高い声に変化するものです。あのガスはヘリウムと酸素を混合したもので、酸素を混ぜてあるのは、窒息しないようにです。

ヘリウムを吸うと高い声がでるのは、ヘリウムが軽いため、ヘリウム中を伝わる音速が早くなるためにそのような現象が起こると考えられています。その理屈が正しいとすると重い気体を吸ったら声は低くなるということになりますが、実際にそうなります。

以下で紹介する動画は、軽い気体であるヘリウムを吸った場合と、重い気体である六フッ化硫黄 (SF6) を吸った場合の比較です。前者を吸うと高い声になり、後者を吸うと低い声になるのがわかると思います。

このような現象が起こるのは、人間が声を発する際に、気柱振動と呼ばれる仕組みで音を作り出しているからだと考えられます。気柱振動で音を作る場合の音の高低は、管の長さと音速に関係するからです。そして音速は気体の密度に関します。それを確かめる方法として、気柱振動で音を作り出している菅楽器で同様のことをやってみると、同様の結果になることでわかります。

ちなみに、ヘリウムを吸うと声が高くなるという現象はどうして見つかったのか、ふと考えたことがあるのですが、もしかしたら潜水夫が潜水病予防のためにヘリウムと空気の混合ガスを吸入した際にたまたま見つかったのかもしれません。潜水により圧力が高い領域に入ると、窒素の麻酔作用が顕在化して窒素酔いという症状があらわれるそうで、それを予防するためにヘリウムを混ぜた空気を利用するそうです。

ヘリウムを充填したハードディスク

ヘリウムガスが軽い気体であるのは、密度が低いということでもあるのですが、それによって物体が運動するときに生じる空気抵抗も低減することができます。その性質を利用して、高速回転するディスクの摩擦を低減するためにヘリウムが充填されたハードディスクが開発されたようです。

日経新聞 電子版
米HGST、ヘリウムガスを充てんしたHDD発売へ 消費電力を大幅削減

HGST プレスリリース
2012年9月13日 ヘリウムガスを充填したハードディスクの新しいプラットフォーム "シールド・ドライブ"について

記事抜粋:
現在のHDDは、内部を空気で満たしている。これを、空気に比べて密度が約7分の1のHeガスに変えることで、ディスクやヘッドなどに加わる抵抗が減る。抵抗が減るとディスクやヘッドなどの振動が減って、設計上のマージン(余裕)を広げることができる。この結果、現在ディスク5枚を搭載しているスペースに、7枚搭載することが可能になるとする。

ヘリウムの性質3 分子サイズが小さい

漏れの検査(リークテスト)

ヘリウムは軽い上に小さい分子です。ヘリウムは構成する物質の数が、2番目に少ない物質なのでサイズも小さいのです。そのような"小ささ"を利用して、気密性の検査に応用されています。特に高い真空性が要求される場合に、溶接部分やシール部分の密閉性を確認するために使用されることが多いようです。ヘリウムは大気中の存在量が5ppmと極めて少ないため、誤検知の可能性が低いことも利用される理由です。

ガスクロマトグラフィーのキャリアガス

ガスクロマトグラフィーとは、ガス体の物質をクロマトグフィーにより分離し定量する化学分析法です。細い管の中に、分析したい物質を通して、物質のサイズによって移動速度が異なることを利用して物質を分離し、注入してから出てくるまでの時間を測定することで、物質を同定したり、でてきた物質の量を比較することで複数の成分がどのような比率で含まれているのか調べることができます。

分析したい物質を細い管の中に流すために、それを運ぶガスが必要となりキャリアガスと呼ばれています。そのキャリアガスとしてヘリウムがよく利用されています。ヘリウムは分子サイズが小さいため、分解能にすぐれています。ただし、ヘリウムよりも水素の方が
キャリアガスとしての性能は良いようですが、安全上の理由からあまり利用されていないようです。

ヘリウムの性質4 不活性であること

雰囲気ガスとして

化学物質や半導体などの製造の際に、空気で行うと空気中に含まれる酸素が邪魔をして適切な反応が起こらない場合があります。そういうときに、邪魔者の酸素を追い出すために使われるのが不活性ガスと呼ばれるガスたちです。そのような用途で使われる場合、反応させる物質の周囲に「雰囲気」として存在させるため、雰囲気ガスと呼ばれたりもします。

不活性ガスはその名の通り、不活性なガスで、他の物質と反応しずらいガスをさします。ヘリウムの他に、窒素やアルゴン、炭酸ガスなどがそうです。

ヘリウムは不活性であることに加えて、熱伝導性が非常に高い物質でもあります。対象の物質から素早く熱を奪って温度を下げる目的でも利用されています。そのような性質から、半導体の製造や、潜水艦の中のスターリングエンジン、原子力発電所の熱交換媒体として利用されています。

光ファイバーの製造

光ファイバーの製造でもヘリウムは利用されています。光ファイバーは、1本の細いガラスですが、中心部分のコアと呼ばれる部分は透明度高く結晶化させ、その周囲の鞘の部分(クラッド)は不透明に結晶化させて製造するという極めて高度な技術で作られています。

ヘリウムは、光ファイバーの製造の際に、外部からの不純物混入を防ぐとともに、ヘリウムの石英ガラスへの溶解度の高さを利用して、品質を低下させる泡の発生を抑えるという働きをします。

これまではヘリウム以外のガスでは代替できないようでしたが、近年は研究が進み、より安価なアルゴンガスを利用する場合があるようです。

アーク溶接

日本ではあまり利用されていませんが、ヘリウムにはアーク溶接におけるシールドガスとしての利用法があります。この用途に対しては日本の使用量シェアは数%ですが、アメリカ国内では20%のシェアを占めます。

この違いは日本とアメリカのヘリウムの価格差から来ると考えられます。日本ではヘリウムは高価なガスですが、アメリカでは自国で大量に産出でき、輸送コストもかからないため、相対的に安価に手に入れることができます。

アーク溶接とは、高電圧を2つの金属間にかけることで、強制的に電流(アーク)を流し、それによって発生した高熱で金属同士を溶かして接着する技術です。アークを発生させた際に、空気中の酸素や窒素が金属の溶融部分に触れると接着後の品質低下を引き起こしてしまうため、一時的・局所的に溶接部位の周囲にシールドガスを流して外気を遮断します。そのシールドガスとしてヘリウムは、不活性であり、プラズマ化しづらく、熱伝導率が高いことから理想的なガスとされています。

日本では価格面でヘリウムを利用することが難しいため、ヘリウムの代わりに炭酸ガスやアルゴンガスが利用されています。

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