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在宅酸素療法の基礎知識

在宅酸素療法

  在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy:通称HOT)が慢性呼吸不全患者の生命予後の改善、
  生活の質の向上に役立つことが今までの研究で明らかにされてきました。 わが国でも1985年
  の在宅酸素療法に対する健康保険の適用、酸素供給装置の改新、老齢人口の増加と共に在宅
  酸素療法が広く行われるようになりました。 また医療施設もはじめは承認制でしたが、まもなく
  届出制となり、平成6年4月より届出も不要となり無床施設、診療所でもHOTが行いやすくなりました。
  但し、患者の緊急時に適切な対応ができることが条件となっています。
  在宅医療のさけばれる中、HOTはわが国において広く定着した在宅療法の一つといえましょう。


在宅酸素療法の目的・役割

  通常の大気中の酸素濃度は、20.9%で、健常人はその空気の中で日常の生活を行っています。
  しかし慢性呼吸不全とよばれる状態になり酸素摂取能力が低下すると、血液中の酸素量(酸素
  分圧)が低下をきたし日常生活を営む事が困難になります。
  更に心臓に負担をかけたり、血液中のヘモグロビン濃度が増えて多血症になります。
  通常このような場合には酸素療法を長期的に行うわけですが、比較的安定期にある患者さんは
  住み慣れた家庭生活の中で家族の方たちと過ごす充実感、安心感を味わい自由に外出や散歩
  をしたり趣味を楽しんだり、または仕事の場に復帰する事さえも可能になりました。


在宅酸素療法の適用基準(厚生省1994年4月)

  諸種の原因による高度慢性呼吸不全例又は肺高血圧症のうち、安定した病状にある退院患者
  及び手術待機の患者。 高度慢性呼吸不全例のうち、対象となる患者は動脈血酸素分圧55Torr以下
  の者および動脈血酸素分圧60Torr以下で睡眠時または運動負荷時に著しい低酸素血症をきたす者
  であって医師が在宅酸素療法を必要であると認めた者であること。

  ・酸素飽和度(SpO2)と酸素分圧(PaO2)
     酸素飽和度とは血液中にあるヘモグロビンの酸素結合最大能力に対し、実際に取り込まれ結合
     している比率をいいます(単位%)。いわば血液中にある酸素の量を示します。
     これに対し酸素分圧とは酸素が血液に浸透するための圧力差を意味し(単位mmHgまたはTorr)
     圧力差が大きいほど(高いほど)浸透する力が強くなります。一般的には酸素分圧が高ければ
     酸素飽和度も相関して高くなります。

     SpO2 88% のとき(pH7.4と仮定すると) PaO2 55Torrに相当。
     SpO2 90%  ⇒ PaO2 60Torrに相当。


在宅酸素療法開始の必要条件

  1.あらかじめ酸素吸入以外に有効と考えられる治療(抗生物質、気管支拡張薬、利尿剤など)が
    積極的に行われており、その後少なくても1カ月以上の観察期間を経て安定期にあること。
  2.家庭で酸素投与を実施できれば入院を必要としない者。
  3.入院して酸素療法を受け、危険のないことを確認できた者。
  4.定期的な外来診療、または医師・保健婦の訪問により病状を把握し、必要に応じて適切な対応を
    取れる場合。
  5.あらかじめ患者およびその家族に対して酸素療法の意味、危険性、機器の取り扱い、治療中に
    起こり得る兆候、医師との連絡方法について説明し、これについても患者およびその家族が十分
    に理解し、協力が得られることが明かになった場合。


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資料提供:株式会社 小池メディカル




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