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高圧ガス業界雑誌『ガスレビュー』の最新号(2012/12/1)によりますと、現況のヘリウム不足は米国のヘリウムプラントの不調が原因の模様です。
米国土地管理局(BLM)の粗ヘリウム貯蔵庫からヘリウム精製プラントに延びているパイプラインに問題があり、そのため通常よりもヘリウムの生産量が20%低くなっているようです。BLMのヘリウム施設は老朽化が進んでおり、これまでにもそのようなトラブルは起こっておりました。
また、BLMとは別のエクソンモービル社の持つ世界最大のヘリウムプラントが昨秋の定期修理が長引いたため再稼働が遅れており、しかも現在においてもフル稼働になっていない模様であり、BLMのパイプラインのトラブルとこのエクソンモービル社のプラント不調が重なったことが、今回の決定的なヘリウム不足の要因だと考えられます。
一方で、今回のヘリウム不足の遠因としては、アルジェリアのヘリウムプラントの減産や、ロシアのヘリウムプラントの数か月に及ぶ停止もあるとみられています。そのような世界的なヘリウムの供給力低下が、米国へのヘリウム依存度を高め、設備の劣化を早めたと考えられます。
いずれにしろ、世界のヘリウム供給力がヘリウムの需要増に追い付いていない状況は当面の間解消されず、2013年5月に予定されているカタールのヘリウム新プラント稼働まではこのような不安定な状況は続くと予想されますし、その新プラント稼働も順調にいく保証はなく、予断を許さない状況です。
参考記事:
・ガスレビュー No.757 2012/12/1
・World Exclusive: Helium Shortage 2.0 | gasworld
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